どんぐり倶楽部オンライン通信 【2018年1月・増刊号】
2018/01/14 (Sun) 10:00
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考える力・絶対学力を育てる
=どんぐり倶楽部オンライン通信=
どんぐり教育研究会発行 (カニ先生)
2018/01/14号
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このメルマガは、どんぐりオンラインメンバーに登録された皆さまへ配信しています。
配信不要の方は、タイトルを「配信不要」に書き換えて、そのまま返信してください。次号から配信を停止します。
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◆寒い日が続きますね。外に出るときはマフラーをしようと思うのですが、つい忘れてしまい風邪をひきそうになります。体調管理にはくれぐれもお気をつけください。
◆当会では、時々メールやお電話で「大人になってから、算数・数学の大切さに気付いた」「今からでもやり直しができないでしょうか」というご相談をいただくことがあります。
「参考書に書いてある解き方を暗記」して問題を解く方法は、「実力がついている実感がない」ので、そのうちに挫折してしまうことが多いようです。
当会では、算数・数学の学び直しをなさりたい方には、「わが子を算数・数学のできる子にする方法」(小出順一・PHP新書)という本をおすすめしております。
◆この本の著者である個別指導塾クレア・アカデミー創業者の小出順一先生は、
「子どもの算数・数学の成績があがらないと、親は懸命に試験勉強をさせる。でもすぐに駄目になるのは、目先の試験範囲にとらわれて、その子がもっと基礎的なところでつまずいているのを無視しているからだ」
という考え方のもと、「その子がどこでつまずいているのか」その個所を発見し、大人と子どもが情報を共有し、子どもが自発的に目標にむかって勉強するように仕向けるツール「数学ビル」を、考案されました。(新書本の中に、とじ込み付録になっています)
◆この数学ビルを使うと、たとえば「中学1年の一次方程式」が出来ないと、次に何が出来なくなるのかが「視覚的に見えるように」なっています。
◆お子さんの将来の進路や大学選びにおいては、数学に苦手意識があるか否かで大きな違いが出てきます。
この「数学ビル」は、高校数学までに習う内容の何と何が関連しているのかが一目でわかるので、大人にも子どもにも分かりやすいと思います。
子育ての参考にされてみてください。
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◆クレジットカードのお支払い方法に「分割払い(2回~24回)」や「リボ払い」を選べるようになりました。
◆ネット銀行をショッピングやオークションのお支払いに利用なさる方が増えています。当会でも『ジャパンネット銀行』が教材代金のお支払いに利用できるようになりました。
◆メルマガ会員様のあたたかいご支援に感謝申し上げ、冬のキャンペーン2018をスタートしました。
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【今日のもくじ】
◇〔1〕親として知っておきたいキャリアの話(その47)
◇〔2〕子どもが勉強好きになる子育てとは(その44)
◇〔3〕どんぐり問題への取り組みをサポートする『学習の手引き』(年長さん~5年生)を販売中です。
◇〔4〕どんぐり倶楽部オンライン ありがとう!11周年キャンペーンのお知らせ
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◇〔1〕親として知っておきたいキャリアの話(その47)
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■現在の社会環境は、グローバル化や情報化がすすみ、速いスピードで変化し続けています。
その変化に対応するため、学校教育の中でも、生徒それぞれが将来の課題にたくましく対応し自立していくことができるよう、「キャリア教育」や「生きる力の育成」が全面に掲げられています。
そんな中、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、社会人としての「基礎的・汎用的能力」というものが、提唱されるようになりました。
■この「基礎的・汎用的能力」は、
「人間関係形成能力」(自他の理解能力・コミュニケーション能力)
「情報活用能力」(情報収集探索能力・職業理解能力)
「将来設計能力」(役割把握認識能力・計画実行能力)
「意思決定能力」(選択能力・課題解決能力)
など、4つの領域における8つの能力としてまとめられています。
■中学生になると、多くの生徒さんが「高校受験」を念頭に置きながら学校生活を送ることになりますが、実は「受験」に向けて努力する中で身に付けられる能力は、これらの「社会人としての基礎的能力」のベースになるものが多いのです。
「目標にむかって行動計画を立てる」
「はかどらないときは、その原因を複数考え、その中から重要なものを抽出する」
「目標にむけて、勉強の進捗状況をチェックする」
「より自分にあった方法を工夫し、ノートの取り方や定期テスト直前の過ごし方を工夫する」
など、受験勉強において養われる能力は、そのまま仕事にも当てはまることがあります。
塾や家庭教師に100%丸投げするのではなく、自分の力で受験を乗り切れば、将来社会に出た時にその経験が大いに役に立つでしょう。
■社会人向けの人材育成支援事業や手帳事業で定評のある、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(NOLTY(旧名称・能率手帳)でとても有名ですね)は、現場の先生からの要望にこたえ、2011年から「中学生・高校生用の手帳」と「それを活用したキャリア教育のプログラム」を立ち上げ、現在までに全国で935校に導入されています。
以前に、同社の九州地区のご担当者から直接話をうかがったのですが、定期テスト対策や、自分の進路決定に手帳を活用することで、
「語彙力など書く力が着実に伸びる」
「忘れ物をしないという基本行動が身に付く」
「勉強時間が増え、学力が伸びる」
などの良い結果が表れているとのことでした。
■また「この手帳を導入している」学校では、「普段からこまめに書き込んでいる内容」が、大学入試の「小論文」や「面接」に非常に役に立っているということです。
■2021年から施行される「思考力・判断力・表現力などの能力共通テスト」では80~120字程度の記述問題が3問、各大学が個別選抜に用意する問題は200~300字程度と書かせることで思考力・判断力・表現力をみると言われています。
■親世代のときとは、大学入試そのものが根本的に変わる中、「子どもの自主性」「子ども自身が感じたこと、考えたこと、興味をもったこと」を重視した子育てや進路選びが、今後はますます重要になってくるのではないかと感じました。
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◇〔2〕子どもが勉強好きになる子育てとは(その44)
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先日、ある親御さんからメールで次のようなご相談をいただきました。
「年長さんのうちの子は、どんぐり問題が大好きで、親子で楽しく取り組んでいます」
「登場人物の世界観に深く入り込んでしまい、お絵描きに夢中でなかなか先に進みません」
「答えにたどりつくまで時間がかかるのですが、こんな絵の描き方でも良いのでしょうか」
実は、このようなご相談をいただくことは、とても多いのです。
■発達心理学の第一人者でお茶の水女子大学名誉教授の内田信子先生の研究によると、子どもの気質には大きく分けて「図鑑型」と「物語型」があるらしいということが分かってきています。(子どもの見ている世界・春秋社)
■そのお子さんの描いた絵を拝見しないと一概には言えませんが、一般的に「登場人物の世界観」に入り込み、ストーリーを作って楽しむお子さんの場合は、「物語型」の可能性が高いと思います。
一方で、「図鑑型」のお子さんの場合は、「ストーリーを作って楽しむ」よりも、どんぐり問題に登場する様々な機械(カード製造機や卵タワーなど)の構造やスペックを想像して楽しむということになるかもしれません。
■重要なことは、「早く答えにたどりつきたい」と急ぐのではなく、お子さんがどんぐりの取り組みの中で、1文ずつ丁寧に絵図を描き、そこからアイディアをふくらませることだと感じます。
■元AIの研究者で現在は、京都大学デザイン学ユニット特定教授の川上浩司先生は、その著書「京大式 DEEP THINKING」(サンマーク出版)の中で、次のようなことを言われています。
「仕事の上でも生きていく上でも、役にたつのは深く考える力である」
「深く考えるとは、プロセスをたどる営みである」
「実は深く考える営みこそ、人間の個性であり、一番の強みであるというのが、元AI研究者としての私の意見である」
■川上先生はこの本の中で、たとえば、いつか漫画家になりたいと考えていた人が、朝起きたら作品が仕上がっていて「それはあなたの作品ですよ」と言われても、嬉しさや技術があがった実感はないでしょう、という例を挙げられています。
自分で漫画をかくとは、
(1)話の構成を作り
(2)どのようなコマ割りにするか悩み
(3)登場人物をきめるといった一工程ずつの意識が重なって思考というかたちで現実のものとなるのです。
■川上先生はこのように、一つ一つの工程を意識し、それぞれについて「深く考える」ことで、「考え抜くスタミナ」が養われてくるといわれています。
また「深い思考」のすえ、それまでは「石ころ」に見えたものが「ダイヤモンド」に代わる可能性もあるのです。
■たとえば、島津製作所の田中先生がノーベル化学賞を受賞した研究は、実験のプロセスで「手順を間違った」ことにより、生まれているそうです。
これは結果のみでなく、「実験プロセス」を意識し、常にその工程ごとに深く思考していたことから、失敗をノーベル賞級の「成果」に転換できたのだと川上先生は分析されています。
■どんぐり問題は、「答えはおまけ」であり、答えにいたるまでの過程において、お子さんが自分で考えたこと、感じたことそのものを重視しています。
その取り組みの中で「深く考える習慣」「プロセスを大事にする習慣」を、12歳までに身に付けることができるよう、工夫されています。
■たとえば、どんぐり問題に次のような問題があります。
「ある日、タレパンダ君は巨大パンダになりたくて6mの身長のばしを目指しました。
ケーキ1個で1m、ジュース1本で50cmの身長が伸びます。食事はケーキ1個とジュース2本がセットになっているとすると目標までにジュースは何本飲むことになるでしょう」
(2MX27:答 6本)
■この問題は、最初の1文を飛ばさず、「パンダ君が巨大パンダになりたい」というところもイメージしてしっかり絵を描きます。
その過程で、「巨大になる」という概念をどう絵に表現するか、「拡大・縮小」につながる準備学習にもなるのです。
(物語型のお子さんは、なぜ巨大パンダになりたいのか、ストーリーが作れるかもしれません)
■2年生問題では、どんぐり問題に慣れてきて、「答えに関係ない部分」は飛ばそうとするお子さんもおられますが、1文もしくは1行ずつ「過不足なく」絵を描き起こすことが理想なのです。
(次回に続く)
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◇〔3〕どんぐり問題への取り組みをサポートする『学習の手引き』(年長さん~5年生)を販売中です。
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◇〔4〕編集後記
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「ありがとう!11周年感謝のプレゼントキャンペーン」を実施しています。今回のプレゼントは、
1.「どんぐり教育研究会制作・糸山泰造DVD講義全51話」より、特に重要な5話を抜粋し、オリジナルデザインのCD(合計22分・資料付き)
2.「社会福祉法人福岡市手をつなぐ育成会さま かわいい絵柄の2018年カレンダー(壁掛け)。2018年のテーマは『星の王子さま』です。年間を通して楽しめます。
詳しくは、こちらからどうぞ。
https://donguriclub.jp/10th_anniversary_cal/
※カレンダーの在庫も残り少なくなってきました。
ご質問やご相談は24時間受け付けておりますので、お気軽にご利用ください。
※次号は2月4日(日曜日)に配信予定です。
≪発行/編集≫━━━━━━━━━━━━━
どんぐり教育研究会
URL: https://donguriclub.jp/?mailmag=20180114
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○当メールマガジンへのご意見・ご感想、お待ちいたしております。
○お問い合わせは info@donguriclub.com まで。
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どんぐり教育研究会発行 (カニ先生)
2018/01/14号
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◆寒い日が続きますね。外に出るときはマフラーをしようと思うのですが、つい忘れてしまい風邪をひきそうになります。体調管理にはくれぐれもお気をつけください。
◆当会では、時々メールやお電話で「大人になってから、算数・数学の大切さに気付いた」「今からでもやり直しができないでしょうか」というご相談をいただくことがあります。
「参考書に書いてある解き方を暗記」して問題を解く方法は、「実力がついている実感がない」ので、そのうちに挫折してしまうことが多いようです。
当会では、算数・数学の学び直しをなさりたい方には、「わが子を算数・数学のできる子にする方法」(小出順一・PHP新書)という本をおすすめしております。
◆この本の著者である個別指導塾クレア・アカデミー創業者の小出順一先生は、
「子どもの算数・数学の成績があがらないと、親は懸命に試験勉強をさせる。でもすぐに駄目になるのは、目先の試験範囲にとらわれて、その子がもっと基礎的なところでつまずいているのを無視しているからだ」
という考え方のもと、「その子がどこでつまずいているのか」その個所を発見し、大人と子どもが情報を共有し、子どもが自発的に目標にむかって勉強するように仕向けるツール「数学ビル」を、考案されました。(新書本の中に、とじ込み付録になっています)
◆この数学ビルを使うと、たとえば「中学1年の一次方程式」が出来ないと、次に何が出来なくなるのかが「視覚的に見えるように」なっています。
◆お子さんの将来の進路や大学選びにおいては、数学に苦手意識があるか否かで大きな違いが出てきます。
この「数学ビル」は、高校数学までに習う内容の何と何が関連しているのかが一目でわかるので、大人にも子どもにも分かりやすいと思います。
子育ての参考にされてみてください。
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◆クレジットカードのお支払い方法に「分割払い(2回~24回)」や「リボ払い」を選べるようになりました。
◆ネット銀行をショッピングやオークションのお支払いに利用なさる方が増えています。当会でも『ジャパンネット銀行』が教材代金のお支払いに利用できるようになりました。
◆メルマガ会員様のあたたかいご支援に感謝申し上げ、冬のキャンペーン2018をスタートしました。
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【今日のもくじ】
◇〔1〕親として知っておきたいキャリアの話(その47)
◇〔2〕子どもが勉強好きになる子育てとは(その44)
◇〔3〕どんぐり問題への取り組みをサポートする『学習の手引き』(年長さん~5年生)を販売中です。
◇〔4〕どんぐり倶楽部オンライン ありがとう!11周年キャンペーンのお知らせ
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◇〔1〕親として知っておきたいキャリアの話(その47)
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■現在の社会環境は、グローバル化や情報化がすすみ、速いスピードで変化し続けています。
その変化に対応するため、学校教育の中でも、生徒それぞれが将来の課題にたくましく対応し自立していくことができるよう、「キャリア教育」や「生きる力の育成」が全面に掲げられています。
そんな中、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、社会人としての「基礎的・汎用的能力」というものが、提唱されるようになりました。
■この「基礎的・汎用的能力」は、
「人間関係形成能力」(自他の理解能力・コミュニケーション能力)
「情報活用能力」(情報収集探索能力・職業理解能力)
「将来設計能力」(役割把握認識能力・計画実行能力)
「意思決定能力」(選択能力・課題解決能力)
など、4つの領域における8つの能力としてまとめられています。
■中学生になると、多くの生徒さんが「高校受験」を念頭に置きながら学校生活を送ることになりますが、実は「受験」に向けて努力する中で身に付けられる能力は、これらの「社会人としての基礎的能力」のベースになるものが多いのです。
「目標にむかって行動計画を立てる」
「はかどらないときは、その原因を複数考え、その中から重要なものを抽出する」
「目標にむけて、勉強の進捗状況をチェックする」
「より自分にあった方法を工夫し、ノートの取り方や定期テスト直前の過ごし方を工夫する」
など、受験勉強において養われる能力は、そのまま仕事にも当てはまることがあります。
塾や家庭教師に100%丸投げするのではなく、自分の力で受験を乗り切れば、将来社会に出た時にその経験が大いに役に立つでしょう。
■社会人向けの人材育成支援事業や手帳事業で定評のある、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(NOLTY(旧名称・能率手帳)でとても有名ですね)は、現場の先生からの要望にこたえ、2011年から「中学生・高校生用の手帳」と「それを活用したキャリア教育のプログラム」を立ち上げ、現在までに全国で935校に導入されています。
以前に、同社の九州地区のご担当者から直接話をうかがったのですが、定期テスト対策や、自分の進路決定に手帳を活用することで、
「語彙力など書く力が着実に伸びる」
「忘れ物をしないという基本行動が身に付く」
「勉強時間が増え、学力が伸びる」
などの良い結果が表れているとのことでした。
■また「この手帳を導入している」学校では、「普段からこまめに書き込んでいる内容」が、大学入試の「小論文」や「面接」に非常に役に立っているということです。
■2021年から施行される「思考力・判断力・表現力などの能力共通テスト」では80~120字程度の記述問題が3問、各大学が個別選抜に用意する問題は200~300字程度と書かせることで思考力・判断力・表現力をみると言われています。
■親世代のときとは、大学入試そのものが根本的に変わる中、「子どもの自主性」「子ども自身が感じたこと、考えたこと、興味をもったこと」を重視した子育てや進路選びが、今後はますます重要になってくるのではないかと感じました。
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◇〔2〕子どもが勉強好きになる子育てとは(その44)
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先日、ある親御さんからメールで次のようなご相談をいただきました。
「年長さんのうちの子は、どんぐり問題が大好きで、親子で楽しく取り組んでいます」
「登場人物の世界観に深く入り込んでしまい、お絵描きに夢中でなかなか先に進みません」
「答えにたどりつくまで時間がかかるのですが、こんな絵の描き方でも良いのでしょうか」
実は、このようなご相談をいただくことは、とても多いのです。
■発達心理学の第一人者でお茶の水女子大学名誉教授の内田信子先生の研究によると、子どもの気質には大きく分けて「図鑑型」と「物語型」があるらしいということが分かってきています。(子どもの見ている世界・春秋社)
■そのお子さんの描いた絵を拝見しないと一概には言えませんが、一般的に「登場人物の世界観」に入り込み、ストーリーを作って楽しむお子さんの場合は、「物語型」の可能性が高いと思います。
一方で、「図鑑型」のお子さんの場合は、「ストーリーを作って楽しむ」よりも、どんぐり問題に登場する様々な機械(カード製造機や卵タワーなど)の構造やスペックを想像して楽しむということになるかもしれません。
■重要なことは、「早く答えにたどりつきたい」と急ぐのではなく、お子さんがどんぐりの取り組みの中で、1文ずつ丁寧に絵図を描き、そこからアイディアをふくらませることだと感じます。
■元AIの研究者で現在は、京都大学デザイン学ユニット特定教授の川上浩司先生は、その著書「京大式 DEEP THINKING」(サンマーク出版)の中で、次のようなことを言われています。
「仕事の上でも生きていく上でも、役にたつのは深く考える力である」
「深く考えるとは、プロセスをたどる営みである」
「実は深く考える営みこそ、人間の個性であり、一番の強みであるというのが、元AI研究者としての私の意見である」
■川上先生はこの本の中で、たとえば、いつか漫画家になりたいと考えていた人が、朝起きたら作品が仕上がっていて「それはあなたの作品ですよ」と言われても、嬉しさや技術があがった実感はないでしょう、という例を挙げられています。
自分で漫画をかくとは、
(1)話の構成を作り
(2)どのようなコマ割りにするか悩み
(3)登場人物をきめるといった一工程ずつの意識が重なって思考というかたちで現実のものとなるのです。
■川上先生はこのように、一つ一つの工程を意識し、それぞれについて「深く考える」ことで、「考え抜くスタミナ」が養われてくるといわれています。
また「深い思考」のすえ、それまでは「石ころ」に見えたものが「ダイヤモンド」に代わる可能性もあるのです。
■たとえば、島津製作所の田中先生がノーベル化学賞を受賞した研究は、実験のプロセスで「手順を間違った」ことにより、生まれているそうです。
これは結果のみでなく、「実験プロセス」を意識し、常にその工程ごとに深く思考していたことから、失敗をノーベル賞級の「成果」に転換できたのだと川上先生は分析されています。
■どんぐり問題は、「答えはおまけ」であり、答えにいたるまでの過程において、お子さんが自分で考えたこと、感じたことそのものを重視しています。
その取り組みの中で「深く考える習慣」「プロセスを大事にする習慣」を、12歳までに身に付けることができるよう、工夫されています。
■たとえば、どんぐり問題に次のような問題があります。
「ある日、タレパンダ君は巨大パンダになりたくて6mの身長のばしを目指しました。
ケーキ1個で1m、ジュース1本で50cmの身長が伸びます。食事はケーキ1個とジュース2本がセットになっているとすると目標までにジュースは何本飲むことになるでしょう」
(2MX27:答 6本)
■この問題は、最初の1文を飛ばさず、「パンダ君が巨大パンダになりたい」というところもイメージしてしっかり絵を描きます。
その過程で、「巨大になる」という概念をどう絵に表現するか、「拡大・縮小」につながる準備学習にもなるのです。
(物語型のお子さんは、なぜ巨大パンダになりたいのか、ストーリーが作れるかもしれません)
■2年生問題では、どんぐり問題に慣れてきて、「答えに関係ない部分」は飛ばそうとするお子さんもおられますが、1文もしくは1行ずつ「過不足なく」絵を描き起こすことが理想なのです。
(次回に続く)
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◇〔3〕どんぐり問題への取り組みをサポートする『学習の手引き』(年長さん~5年生)を販売中です。
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◇〔4〕編集後記
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「ありがとう!11周年感謝のプレゼントキャンペーン」を実施しています。今回のプレゼントは、
1.「どんぐり教育研究会制作・糸山泰造DVD講義全51話」より、特に重要な5話を抜粋し、オリジナルデザインのCD(合計22分・資料付き)
2.「社会福祉法人福岡市手をつなぐ育成会さま かわいい絵柄の2018年カレンダー(壁掛け)。2018年のテーマは『星の王子さま』です。年間を通して楽しめます。
詳しくは、こちらからどうぞ。
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※次号は2月4日(日曜日)に配信予定です。
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